ユーザーに思いをはせるといいましたが、
相手のことを想像するのはなかなか簡単ではありません。
それにターゲットが自分に近い人たちだけだとも限らない。
扱う商品やホームページの目的によっては自分の境遇からは
ユーザーの具体像が見えて来ないこともあります。
以前にかかわったものでは女の子向けの着せ替え人形のホームページ作成の仕事がそうでした。
この仕事は最終的には立ち消えになってしまったのですが、
準備段階では取材のために母親たちのグループインタビューを聞いたり、
その人形の記念館に行ったりもしました。でも正直なところお手上げでした。
ユーザーの具体像はまったく見えてきませんでした。ターゲットのことをよく知らない場合などには確かにグループインタビューは一つの解決策となりうるものです。でもやっぱり、どこか付け焼刃のような感じがします。このときっはそれを痛感しました。クライアントはずっとそのターゲットに向き合っている。いわばスペシャリストですから、彼らに教わりながら仕事を遂行するという方法もあるのですが、それでも「もっとこの仕事に向いている人がいるんじゃないか」のようなしこりがどうしても心に残ってしまいます。やっぱり急にその人たちのことについて考えろといわれてもなかなか想像が及ばない。