こうした様々な理屈を踏まえて作ってもそれでもまだユーザーに対して
うまくメッセージが伝わらないものになってしまうこともあります。
ホームページというものはそれくらい自己満足に陥りやすい。
だから最後にはできるだけユーザーテストをします。
私たちの仕事は納品までに時間がないことが多く、なかなか大きな規模でユーザーテストを
することはできないのですが、それでも友達や知人でも構わないので何人かの
その仕事に関係していない人に見てもらいます。
ユーザーテストというのは基本的には余計なバイアスのかからない、普通にホームページを
見ているときの環境で見てもらうことが基本なのですが、私の場合は可能な限り
そばでその様子を見るようにしています。
PCの画面よりもユーザーの表情を見る。笑ってほしいところでくすっとしてくれるか。
何でもないところで困惑した顔になったりしていないか。
人というものは一人でホームページを見ているときはよほどのことでない限り、
感情をあらわにはしません。面白くても一人で声をあげて笑ったりしないし、
困惑しても無表情です。そういう意味では少し知っている間柄くらいの人と
一緒に見たほうが反応がわかりやすい。
私の場合はいわゆるユーザビリティをチェックする目的ではなく、
エモーショナルな誘導を行う演出がうまくいっているかを確認したいので、
こういうやり方をするようにしています。